【年金機構36協定違反】36協定の内容、罰則例(公表事案あり)まとめ

ニュースまとめ

日本年金機構にて職員の時間外労働が36協定の範囲を超える時間で就労をしていたことが発覚しました。

日本年金機構の違反内容、36協定の内容、罰則例をまとめてみました。
また、2021年1月29日に発表された労働基準関係法令違反に係る公表事案もありますのでご確認ください。

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日本年金機構の違反内容

昨年春に起こった新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言により出社する社員と在宅で勤務をする社員をシフトで交代勤務にしていました。

交代勤務により業務が以前とは同様にできず、業務を溜め込む結果になってしまいました。

その溜め込んだ業務を解消するために、勤怠管理を誤魔化して2人が労働していました。

発覚した経緯は、通常勤怠管理は自己申告で行っていましたが、申告した時間とパソコンの使用履歴に違いがないかチェックを行い発覚しました。

2人は残業時間が長いことや、パソコン使用時間のチャックがあることも把握していたと思われ、残業時には複数台のパソコンを使用し日常勤務のパソコンでは36協定(月80時間)の範囲に収まるよう勤務をしていました。

しかし、年金機構内のシステムへアクセスした時間により就労の実態が発覚し、2人に聞き取りをして発覚しました。

年金機構は組織的な不正ではないとしていますが、業務の残量などでも気が付けた気がします。

今回は労使協定の適切な運用をしていくよう是正勧告が出されました。

36協定の内容

労働基準法第36条により、労働者に残業や休日出勤をさせる時には、企業が労働者の過半数代表と36協定を締結し労働基準監督署への届け出が必要が必要です。

36協定を違反した場合には罰則もありますので、労働時間等の内容確認を行ってください。

36協定の基本的な内容は時間外労働に関する法律で、時間外労働の上限は月45時間・年360時間と規定されています。
しかし、「臨時的な特別の事情」(特別条項)があり、労使間が合意すれば時間外労働の限度時間(月45時間・年360時間)を超えることができます。

臨時的な特別の事情とは、業務の繁忙期、クレーム対応など一時的または突発的に業務が忙しくなった場合です。
臨時的な場合であっても上限時間は決められており、時間外労働時間は年間720時間以内にする必要があります。
月45時間を超える時間外労働は年6回(6ヶ月)までとされて、連続して45時間を超える場合は月平均を80時間以内としなければなりません。
月単位では時間外労働と休日出勤合わせて100時間未満です。

特別な事情で上限を超えた場合に必要な措置もありますので、正しくルールを理解した上で限度時間の超過を行ってください。

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36協定違反罰則

まず、36協定を違反して長時間の残業をしていると従業員が退職していく可能性があります。

退職理由のランキングを調査したところ、ほとんどのランキングで労働時間に不満を持って退職したは、5位以内にはありました。

すぐに退職しなくても、不満やストレスにもなります。

また、企業としても信頼を失う可能性があります。

労働者を守るための協定ですので、違反していると人材を軽視していると思われてしまいます。

取引企業からみても人材を軽視している会社は信用できないと思われてしまいますので、正しい運用をしていきましょう。

違反時の罰則は主に2点です。

①労働基準監督署から是正勧告

36協定に違反した場合は、労働基準監督署からの是正勧告を受ける場合が多いです。
是正勧告を受けると、是正されているかを継続的に注意してみられますので、違反しないように正しく運用しましょう。

②6か月以下の懲役または30万以下の罰金

一般的な罰則である、6か月以下の懲役、または30万円以下の罰金になります。
こちらも、是正勧告を受けると、是正されているかを継続的に注意してみられますので、違反しないように正しく運用しましょう。
また、是正されない場合には重い罰則になる場合もありますので注意してください。

※厚生労働省基準監督署が労働基準関係法令違反に係る公表事案を1月29日に公表されています。

公表事案

リンク:厚生労働省ホームページ
都道府県ごとの企業名と違反内容が記載されています。
企業としての信頼を損なうことになりますので、労働基準関連法を守りましょう。

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まとめ

日本年金機構での36協定違反があるとはビックリしました。
パソコンを複数台使用して発覚しないようにするぐらいなら、上司に相談できなかったのか不思議ですね。

気を付けなければいけないのが、労働時間が長くなれば過労死の可能性もありますので、企業も従業員両方で注意しましょう。

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